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3代目社長のつぶやき

出来事から思うこと

AIを「人の役に立つもの」にするには

お聞きになったことがあるかもしれませんが。

会社や国を成長させるのに欠かせないものとして「人・モノ・お金・情報」という
4つの物(もの)さしがよく挙(あ)げられます。

この中で一番大切なのは人だと言われます。
モノもお金も情報も、生み出すのも活かすのも、考えてみれば人だからです。

 

私たちの会社は、
創業100年の全面広告で「人こそが100年続いた力の源」と宣言しています。

社員として何十年も働き続けてくれている人がたくさんいます。すばり!財産は人。
これは社の外でも中でも、言い続けていることです。

この4つの物さしで今の日本を見てみると、正直、少し気持ちが重くなります。

 

人は、どの産業でも足りていません。
モノは、原材料が入りにくくなって、企業の仕入れ価格も物価も上がり続けています。
お金は、円が安くなって、よその国に買い負けることが増えました。

情報は、AIを使いこなすほうでも、情報を守るほうでも遅れていると言われます。
先日も、大きな食品会社のシステムがサイバー攻撃を受けてしまったというニュースがありました。

4つとも、伸びているとは言いにくい。むしろ、他の国に比べて遅れている。
私にはそう見えます。

 

 

 

 

 

そんな4つの物さしの中で、情報という分野の中心に位置するAIは毎年おどろくほど進んでいます。

 

暮らしも、仕事のやり方も、もう変わりはじめています。
大げさでなく、この先の人類の行く末を左右するくらいの力を秘めているといえるかもしれません。

ただ、そのぶん心配な話も出てきていて。

金融や社会システムを破壊する性能を持つということで「AIクロード・ミュトス」がアメリカ政府の指示で一時的に使えなくなる、ということがありました。

そのあと今度は「チャットGPT」を手掛けるオープンAIの会社で、開発中のAIが試験の最中に暴走したそうです。

外とネットでつながらないように隔離されていたのに、自分で抜け道を見つけて。
よそのAI会社のシステムに、勝手に入り込んでサイバー攻撃をしてしまったのです。

映画の中の話のようですが、どちらも今年に入って実際に起きた事件です。

 

 

だから今、世界では「AIに何ができればいいか」ではなく。
「何をしてはいけないか」「何を大切にするか」を教える研究が進んでいるといいます。

その代表とされるのが、アマンダ・アスケルさんという哲学者の方。さきほどの「クロード」というAIをつくった会社で、AIにどんな考え方を持たせるかを研究しています。

計算の速さや物知りなだけではなくて。正直であること、人を思いやること。そういうものをAIに持たせようとしていて「AIの母」と呼ばれているそうです。

その会社では、人の権利や安全といった大事な決まりごとを「憲法」としてあらかじめAIに学ばせているとも聞きました。

 

AIに知識を教える、能力を高めるより先に。
人を大切に、人に役立つという考え方を教えておく。

AIそのものより、AIに触れる、使う「人」が優先。
人があってのAIだとAI自身に学ばせているのです。

 

 

 

 

 

実は私たちの会社でも、AIを組みこんだシステムの開発を進めています。

ねらいは、仕事や会社のしくみをより便利にすることだけではありません。
働く人を大切にする、役に立つ、働く仲間の関係がより良くなるAIによるサポート。

このような考え方を最優先に、会社全体のDX(デジタル技術による大改造)システムをつくっているのです。

 

100 年続いてきた会社が、今の世の中でいちばん新しい技術のAIに積極的に取り組んでいる。しかもAIに頼るのでなく、AIを「人の役に立つもの」にすると最優先に考え開発している。

 

 

100年前、江⼾時代で使われていた縄(なわ)と桶(おけ)を使って水をくみ上げる「つるべ井⼾」
から、大正時代の新しい技術「手押しポンプ井⼾」の普及(ふきゅう)やポンプの取付け工事に取り組んだように。

 

そしてその新しい技術が、水をくむという大変な力仕事から人々をガラリと開放(かいほう)。
人の暮らしに役に立つと考えたように。

 

100年前からリレーのバトンのように受け継ぎ、大切にしてきた会社の取り組みや考え方

が、私たちの心の中で今も生き続けているのです。