ほとんどの方がご存じだと思うのですが「ウサギとカメ」
というイソップ童話があります。
山の上までウサギとカメが競争するあの話です。
この童話を題材に「なぜウサギは負けてカメは勝った
のか?」と問われたら、あなたならどう答えますか?
私は「ウサギがカメを甘く見て気を抜きすぎたから」と答えると
思います。一言でいえば油断大敵、ということでしょうか。
または「ウサギはもともと気分屋で怠けぐせがあったから」など
と答えるかもしれません。言いかえれば、努力の大切さをウサギ
はバカにしていたということでしょうか。
このような問いと共に「なるほど!」と思わず感心してしまった
答えをした方がいます。今をときめく居酒屋チェーンの社長さん
たちに師と仰がれ、居酒屋業界をリードして一つの時代を築いた
故・石井誠二さんという方です。
「なぜウサギは負けてカメは勝ったのか?」と問いに石井さんはズバリ。
「どこを見ていたか、で勝ち負けがついた」と答えたのです。
そう。ウサギはカメを見ていた。カメはゴールだけを見ていた。
相手の方が歩くのが早い、上手だ、強い、才能や環境に恵まれているとか。
自分は歩くのが遅い、ヘタだ、弱い、才能や環境が劣るとかに捕らわれずに。
自分が目指すゴールをただひたすら見つめ追いかけることに集中した。
このように石井さんが答えたと目にして。
ある小説の有名な一節を思い出しました。
といっても、私は小説でなくテレビドラマで知ったのですが(笑)
冒頭、俳優の渡辺謙さんが朗読するようにナレーションしていました。
長くなるので、そのナレーションは次回の機会にお伝えするとして。
石井さんはこの答えの後に「経営も人生も全て一緒だ」と続けたと
いいます。
自分のゴール。ビジョンや目標でも良いいかもしれません。
それさえ碇(いかり)のように、自分を繋ぎとめるように。
自分の心に備わっていたならば、大樹のように根を張っていれば。
自分が弱かろうが、不利だろうが、劣っていようが。
今はまだ、ゴールが近づいた感じがしないだろうが。
ただゴールを見つめ目指してみる、いろいろな方法を試してみる。
実は最後まで目指した者だけが、ゴールを切ることが出来るのであって。
そのスピードやペース、方法や道は、人それぞれ多様にいくつもある。
可能性を信じて、海に飛び込むファーストペンギンを目指そう!と。
石井さんの答えから、このようなことも言いたいのではと思いました。