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3代目社長のつぶやき

言葉から思うこと

失敗も良し
挫折もまた良し

結果を気にし過ぎてもいけないし、
深刻に受け止め過ぎてもいけない。
かといって目の前にある現実から、
逃避してもいけない。
その辺りの加減がとても難しい。

これはプロ棋士の羽生善治さんが、世界的指揮者・小林研一郎氏から「棋士にはどういう資質が求められますか」と質問を受けて答えられた言葉です。ある雑誌の記事から目に留まりました。

誰でも結果は気になると思います。時には深刻に受け止めすぎることも、そして現実から逃げ出したい時だってあるとも思います。それでも失敗や負けなど望まない結果が出ても、そこから「どのようにするか?」を考え進むことが大事だと以前のコラムでお伝えしました。

では失敗や挫折といった望まない結果から立ち上がる、また何か新しいことや初めてのことに挑戦する時に大切なのものは何かと言ったならば。

それは頭で成功の可能性や確率を考えるのでなく、心に自信や勇気を持つことでもなく。

失敗したらしたで良い、挫折もまた良しとするような覚悟だと思います。

もちろん一言で覚悟といっても、また失敗からどのうよするか?にしても。天才といわれる羽生さんも「加減が難しい」また「多少の浮き沈みは仕方がないと受け止めて、その場その場で自分のベストを尽くしていくことが大事」と話しているわけですから、多くの人にとって決して簡単なことではないでしょう。

少なくとも私自身、覚悟が大切だと口にしながら。その難しさが十二分に身に染みてきた一人だと自負しています。

人は誰でも楽な方へ優しい方へ流されていく生き物です。自分なりに工夫して持たなければ、維持するように努めなければ。覚悟を持つことや維持することは難しい、だからこそ羽生さんであっても工夫や努力をされているのだと思います。

もし「オレに失敗や挫折はない」と話している人がいるとしたら。それは失敗や挫折を語りたくない、恥ずかしいことだと思っている、または忘れたくて口にしないだけなのではないでしょうか。

仮に心の底から失敗や挫折がなかった、という人がいるのならば。

それは偶然や運の産物であり、その成功や成長は長続きしないと言ってもよいと思います。

人は誰でも過去があって目の前の現実、今の自分、現在があります。だから過去の自分を隠さない、恥じない。同時に過去の相手の過ちを指摘しない、責めないよう努力することで。自分の心に、ゆとりが生まれてくるのと同じように。

してしまった過去の失敗や挫折に捕らわれない、隠さない。このようなしなやかな心、柔軟な考え方に覚悟というものは宿ると思うのですが。あなたはどう思われますか?